抗菌塾 松下記念病院

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略号表 商品名 真菌類 内服薬 その他 問答集 疾患別

分類 略号 一般名(当院採用の商品名)
アミノグリコシド系 ABK アルベカシン(ハベカシン注)
AMK アミカシン(アミカシン硫酸塩注)
GM ゲンタマイシン(ゲンタシン注)
SM ストレプトマイシン(硫酸ストレプトマイシン注)
マクロライド系 AZM アジスロマイシン(ジスロマック注)
モノバクタム系 AZT アズトレオナム(アザクタム注)
セフェム系第一世代 CEZ セファゾリン(セファゾリン注=セファメジン注)
セフェム系第二世代 CMZ セフメタゾール(セフメタゾール注=セフメタゾン注)
CTM セフォチアム(セフォチアム注=パンスポリン注)
FMOX フロモキセフ(フルマリン注)
セフェム系第三世代 CAZ セフタジジム(モダシン注)
CTRX セフトリアキソン(セフトリアキソンナトリウム注=ロセフィン注)
CTX セフォタキシム(セフォタックス注)
SBT/CPZ スルバクタム・セフォペラゾン(ワイスタール注=スルペラゾン注)
セフェム系第四世代 CFPM セフェピム(セフェピム注=マキシピーム注)
CZOP セフォゾプラン(ファーストシン注)
リンコマイシン系 CLDM クリンダマイシン(ダラシンS注)
ニューキノロン系 CPFX シプロフロキサシン(シプロキサン注)
LVFX レボフロキサシン(クラビット注)
PZFX パズフロキサシン(パズクロス注)
グリコペプチド系 DAP ダプトマイシン(キュビシン注)
TEIC テイコプラニン(テイコプラニン注=タゴシット注)
VCM バンコマイシン(バンコマイシン注=塩酸バンコマイシン注)
カルバペネム系 DRPM ドリペネム(フィニバックス注)
MEPM メロペネム(メロペネム注=メロペン注)
IPM/CS イミペネム・シラスタチン(チエペネム注=チエナム注)
PAMP/BP パニペネム・ベタミプロン(カルベニン注)
ホスホマイシン系 FOM ホスホマイシン(ホスミシンS注)
オキサゾリジノン系 LZD リネゾリド(ザイボックス注)
テトラサイクリン系 MINO ミノサイクリン(ミノサイクリン注=ミノマイシン注)
ペニシリン系 PCG ベンジルペニシリンカリウム(ペニシリンGカリウム注)
SBT/ABPC スルバクタム・アンピシリン(ピシリバクタ注=ユナシン注)
TAZ/PIPC タゾバクタム・ピペラシリン(ゾシン注)
当院採用の商品名 略号(分類)
ハベカシン注 ABK(アミノグリコシド系)
アミカシン硫酸塩注 AMK(アミノグリコシド系)
ジスロマック注 AZM(マクロライド系)
アザクタム注 AZT(モノバクタム系)
モダシン注 CAZ(セフェム系第三世代)
セファゾリン注 CEZ(セフェム系第一世代)
セフェピム注/マキシピーム注 CFPM(セフェム系第四世代)
ダラシンS注 CLDM(リンコマイシン系)
セフメタゾール注 CMZ(セフェム系第二世代)
シプロキサン注 CPFX(ニューキノロン系)
セフォチアム注 CTM(セフェム系第二世代)
セフトリアキソンナトリウム注 CTRX(セフェム第三世代)
セフォタックス注 CTX (セフェム第三世代)
ファーストシン注 CZOP(セフェム第四世代)
キュビシン注 DAP(グリコペプチド系)
フィニバックス注 DRPM(カルバペネム系)
フルマリン注 FMOX(セフェム系第二世代)
ホスミシンS注 FOM(ホスホマイシン系)
ゲンタシン注 GM(アミノグリコシド系)
チエペネム注 IPM/CS(カルバペネム系)
クラビット注 LVFX(ニューキノロン系)
ザイボックス注 LZD(オキサゾリジノン系)
メロペネム注 MEPM(カルバペネム系)
ミノサイクリン注 MINO(テトラサイクリン系)
カルベニン注 PAMP/BP(カルバペネム系)
ペニシリンGカリウム注 PCG(古典的ペニシリン系)
パズクロス注 PZFX(ニューキノロン系)
ピシリバクタ注 SBT/ABPC(βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系)
ワイスタール注 SBT/CPZ(βラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系)
硫酸ストレプトマイシン注 SM(アミノグリコシド系)
ゾシン注 TAZ/PIPC(βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系)
テイコプラニン注 TEIC(グリコペプチド系)
バンコマイシン注 VCM(グリコペプチド系)
分類 略号 一般名(当院採用の商品名)
ポリエン系 AMPH-B アムホテリシンB(ファンギゾンシロップ)
L-AMB アムホテリシンBリポソーム製剤(アムビゾーム点滴静注用)
アゾール系 MCZ ミコナゾール(フロリードF注/ゲル経口用)
FLCZ フルコナゾール(ジフルカン静注液/フルコナゾールカプセル)
F-FLCZ ホスフルコナゾール(プロジフ静注液)
ITCZ イトラコナゾール(イトリゾール注/内用液/カプセル)
VRCZ ボリコナゾール(ブイフェンド静注用/錠)
キャンディン系 MCFG ミカファンギン(ファンガード点滴用)
CPFG カスポファンギン(カンサイダス点滴静注用)
分類 略号 一般名(当院採用の商品名)
アミノグリコシド系 KM カナマイシン(カナマイシンカプセル)
マクロライド系 AZM アジスロマイシン(ジスロマック錠/SR成人用ドライシロップ/細粒小児用)
EM エリスロマイシン(エリスロシン錠)
CAM クラリスロマイシン(クラリス錠/クラリスロマイシン錠・ドライシロップ小児用)
RXM ロキシスロマイシン(ロキライド錠)
モノバクタム系 未採用
セフェム系第一世代 CCL 院外専用・セファクロル(セファクロル細粒)
セフェム系第二世代 未採用
セフェム系第三世代 CFPN-PI セフカペンピボキシル(セフカペンピボキシル塩酸塩錠/院外専用・小児用細粒)
CDTR-PI セフジトレンピボキシル(セフジトレンピボキシル錠/小児用細粒)
CFDN セフジニル(セフニールカプセル/セフジニル細粒小児用)
セフェム系第四世代 未採用
リンコマイシン系 未採用
ニューキノロン系 GRNX ガレノキサシン(ジェニナック錠)
STFX シタフロキサシン(グレースビット錠)
CPFX シプロフロキサシン(シプロフロキサシン錠)
TFLX トスフロキサシン(オゼックス細粒小児用)
MFLX モキシフロキサシン(アベロックス錠)
LVFX レボフロキサシン(クラビット錠)
グリコペプチド系 VCM バンコマイシン(塩酸バンコマイシン散)
カルバペネム系 TBPM-PI テビペネムピボキシル(オラペネム小児用細粒)
ペネム系 FRPM ファロペネム(ファロム錠)
ホスホマイシン系 FOM ホスホマイシン(ホスミシンドライシロップ)
リファマイシン系 RFP リファンピシン(リファンピシンカプセル)
オキサゾリジノン系 LZD リネゾリド(ザイボックス錠)
テトラサイクリン系 MINO ミノサイクリン(ミノマイシン錠/院外専用・ミノマイシン顆粒)
ペニシリン系 AMPC アモキシシリンウム(パセトシンカプセル/ワイドシリン細粒)
PCG ベンジルペニシリン(バイシリンG顆粒)
CVA/AMPC クラブラン酸・アモキシシリン(オーグメンチン配合錠/クラバモックス小児用配合ドライシロップ)
ペプチド系 PL-B 硫酸ポリミキシンB(硫酸ポリミキシンB錠)
スルホンアミド系 ST スルファメトキサゾール・トリメトプリル(ダイフェン配合錠/バクトラミン配合顆粒)
分類 略号 一般名(当院採用の商品名)
抗ヘルペスウイルス薬 ACV アシクロビル(アシクロビル点滴静注用/錠/顆粒)
VACV バラシクロビル(バルトレックス錠/顆粒)
Ara-A ビダラビン(アラセナ-A点滴静注用)
FCV ファムシクロビル(ファムビル錠)
抗サイトメガロウイルス薬 GCV ガンシクロビル(デノシン点滴静注用)
VGCV バルガンシクロビル(バリキサ錠)
ホスカルネット(点滴静注用ホスカビル注)
抗インフルエンザウイルス薬 オセルタミビル(タミフルカプセル/ドライシロップ)
ザナミビル(リレンザ)
ペラミビル(ラピアクタ点滴静注液バッグ)
ラニナミビル(イナビル吸入粉末剤)
抗結核薬 INH イソニアジド(イスコチン錠)
EB エタンブトール(エサンブトール錠)
PZA ピラジナミド(ピラマイド原末)
RFP リファンピシン(リファンピシンカプセル)
RBT リファブチン(院外専用・ミコブティンカプセル)
抗線虫薬 ピランテル(コンバントリン錠/ドライシロップ)
イベルメクチン(ストロメクトール錠)
抗原虫薬 MNZ メトロニダゾール(アネメトロ点滴静注液/フラジール内服錠)
チニダゾール(院外専用・チニダゾール錠)
「〜といえば」 「・・・である」
グラム陽性球菌 黄色ブドウ球菌や腸球菌,肺炎球菌,連鎖球菌など
グラム陰性桿菌 緑膿菌や大腸菌,インフルエンザ菌など
グラム陽性桿菌 クロストリジウムディフィシルやウェルシュ菌,破傷風菌など
グラム陰性球菌 モラクセラ菌や淋菌など
インフルエンザ菌 インフルエンザとは無関係で子供の髄膜炎や喉頭蓋炎が怖い
デ・エスカレーション 広域で開始して検査結果を参考に抗菌薬を適正化すること
セフェム系の弱点 腸球菌に活性なし
腎障害時に調節不要 CTRXやSBT/CPZ,LZD,CLDM
ESBL産生菌 基質特異性拡張型βラクタマーゼがあり難治
ESBL産生菌に対する治療 TAZ/PIPCやカルバペネム系、FMOX
SPACE 院内感染を生じる代表的なグラム陰性菌
SPACEの5菌種 セラチア,緑膿菌,アシネトバクター,サイトロバクター,エンテロバクター
真菌 カンジタ,クリプトコッカス,アスペルギルス,ムーコル,ニューモシスチス他
β-D-グルカンの弱点 クリプトコッカスとムーコルでは上昇しにくい
妊娠中や授乳中は回避 ニューキノロン系とアミノグリコシド系,テトラサイクリン系
EBNA EBウイルスの核内抗原で急性期は陰性 (回復期以降は持続陽性=既感染)
VCMの弱点 グラム陰性菌には無効
VCMの注意点 トラフ値を測定(3-4日目の投与直投与前30分以内に対側から採血)
TDM Therapeutic drug monitoring(治療薬物のモニタリング)
TDMが必要な抗菌薬 バンコマイシン,テイコプラニン,アルベカシン,ボリコナゾール
TDMの採血時期 トラフ値なら投与前30分以内,ピーク値なら点滴開始1時間後
結核が否定できない肺炎 ニューキノロン系を投与しない(抗菌活性があり結核感染がマスクされるため)
VCMで切れ味が悪い時 LZD ザイボックス注
SBT βラクタマーゼ阻害剤(SBTやTAZ,CVAなど)
マグミットとの併用禁 ニューキノロン系(効果が減弱)
VRE バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得した腸球菌
ニューキノロンとNSAID 頻度は稀だが痙攣の副作用を忘れずに
疾患 初期投与
市中肺炎(高齢者) SBT/ABPC ピシリバクタ注
市中肺炎(若年者) AZM ジスロマック内服 ± SBT/ABPC ピシリバクタ注
市中肺炎(高齢者+腎障害) CTRX セフトリアキソンナトリウム注 ± CLDM ダラシンS注
市中肺炎(若年者+腎障害) AZM ジスロマック内服 ± CTRX セフトリアキソンナトリウム注
市中肺炎(高齢者+内服) CVA/AMPC オーグメンチン内服(またはニューキノロン系)
市中肺炎(若年者+内服) AZM ジスロマック内服(またはニューキノロン系)
市中肺炎(内服+腎障害) MFLX アベロックス内服(ニューキノロン系)
誤嚥性肺炎 SBT/ABPC ピシリバクタ注
腎盂腎炎 CTRX セフトリアキソンナトリウム注(大腸菌が多い)
血液透析症例 通常の概ね1/4量を24時間毎(透析日は必ず透析後に投与)
腹膜透析症例 基本的に血液透析症例に準ずる
妊娠中あるいは授乳中 セフェム系,ペニシリン系,インフルエンザならタミフル
緑膿菌が想定される場合 TAZ/PIPC ゾシン注
心内膜炎 PCG ペニシリンGカリウム(カリウムが多く腎機能に注意)
術前投与や蜂巣織炎 CEZ セファゾリン注(ただし嫌気性菌には無効)
胆道系疾患 SBT/CPZ ワイスタール注(ただしエビデンスは少ない)
緑膿菌とSPACE対策 CFPM セフェピム注(ただしESBLには無効)
偽膜性腸炎 原因抗菌薬の中止とVCM 塩酸バンコマイシン散の経口投与