がん治療に関わる栄養指導や食事について
がん治療に関わる栄養指導の特色・強み
積極的にがん治療を進めるためには十分な栄養を摂ることが重要です。日々の食事で治療に耐えうる体力を維持し免疫力を高めることを目標にして、一人ひとりに合わせた分かりやすい栄養指導を心がけています。
消化管術の栄養指導について
消化管手術は侵襲の大きな手術であり、手術前からの栄養療法が大切です。手術に向けて適切な栄養摂取ができるよう、入院前より栄養指導を行います。
また、消化管術後は何を食べたら良いのか不安に思う患者さまが多いと思います。
術後に安心してお食事を始められるように、管理栄養士がベッドサイドに訪問して入院中の食事のとり方について説明しています。また退院前には術後の合併症予防や段階的な食事の進め方などについてお話致します。ご希望があればご自宅の調理担当者と一緒に聞いていただくことも可能です。
食欲不振時の食事について
治療の影響や心理的要因により食欲不振を訴える患者さまが少なくありません。
そのような時には病棟担当管理栄養士がお話しを伺い、食べやすい食事を提案しています。
一般病棟では選択制の「なごみ食」やデザート中心の「さわやか食」を用意して患者さまの気持ちに寄り添う食事を目指しています。
緩和ケア病棟での食事
緩和ケア病棟では食欲に合わせた3段階の食事「かんわ食Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を基本にして、可能な限り一人ひとりの嗜好に合わせたお食事に調整しています。
がん終末期ではアイスやかき氷など口当たりの良いものが好まれるため「かんわ食Ⅲ」はスープとデザート中心ですが、ご希望があれば素麺や小おにぎりなどの主食を選ぶこともできます。最後まで口から食べられることを願い希望に合わせた食事を工夫しています。
外来での栄養相談について(申し込み方法・連絡先)
退院時にご自宅での食事について説明していますが、外来での相談を希望される場合は主治医までお申し出ください。次回診察日に合わせて予約をおとりします。
また外来化学療法室でも点滴の間に栄養指導を行っています。体重減少や食欲不振、味覚障害などに対応する食べやすい食事をご提案します。またお食事だけでは十分な栄養が摂れない場合は、栄養補助食品のご紹介もしています。お気軽にご相談ください。
NST(栄養サポートチーム)の関わり
入院中は病棟担当栄養士がNSTリンクナースと栄養カンファレンスを行い、栄養状態が気になる患者さまの情報共有をしています。栄養改善のために多職種の介入が必要と判断した場合は、NSTが介入します。NSTでは医師、管理栄養士の他に看護師、薬剤師、検査技師、言語聴覚士(ST)、理学療法士(PT)などの専門職が集まり、週1回カンファレンスやラウンドを通して主治医に栄養療法を提案しています。