がん診療センター
がんの診断から治療までが「迅速」!
強固な連携と強い組織力の結集で、質の高いがん治療を。
がん診療センターの概要
今までも当院ではがん診療に力をいれてきており、大阪府がん診療拠点病院の指定をいただきながら、多様化するがん診療に対応できるよう、健診センターから各診療科、放射線治療部門、化学療法部門、緩和ケア病棟まで設備体制を整備してきました。
また、看護師や薬剤師、社会福祉士など様々な職種でがん診療に携わる希少な資格を取得したスペシャリストを育成してきました。その体制のもと、これまでのがん診療に対する体制を「ひとつ上のランクへと昇華させる」意味合いでセンター化の運びとなりました。
センター化を行うことで、まだまだ複雑化するがん診療へ対応し、多様な生き方を望まれている患者さまやご家族にもっと寄り添える医療・ケアを提供できる体制を強化しています。
がん診療センターのご案内動画となっています。
がん診療センターの組織
対応可能な「代表的ながん」の種類
センター化による強みとがん診療センターの役割
がん診療センターの強み
がん診療センターでは、10の強みを柱としてより質の高いがん診療を実施していきます。
健診から手術・局所療法、がん化学療法、放射線治療、緩和ケアまで「がんの予防から終末期まで」のトータルケアを実施することが可能です。一人ひとりの思いを大切に患者さま、ご家族が望まれる医療を提供します。
予防から治療・緩和まで対応が可能(緩和ケアはがんと診断された時点から介入可能です)
1.充実した健診メニュー
多種多様な健診コースに加え、オプション検査も多数そろえています。精密検査が必要と判定された場合は、各診療科とシームレスに連携を図り迅速に対応します。
2.がん診療に必要な検査機器が充実
PET-CTをはじめとする放射線検査、上下部内視鏡検査、気管支鏡検査などが行えます。
3.進行がん、骨転移、希少ながんにも対応
進行がんはもちろん、骨・軟部腫瘍、口腔がんなどの希少ながんにも各診療科やチームで治療にあたります。骨転移を有する患者さまには骨転移チームがサポートします。
その他の希少がんや小児がんについては、適切な施設に紹介させていただきます。
4.病理専門医が在籍 自院での病理検査により迅速な診断が可能
全身の臓器や組織、細胞などから病気の有無や進行具合を検証する病理検査を院内で行えるため、がんの検査診断が早く、がんとわかったときから治療計画に入ります。
手術中に提出された病変の一部を用い腫瘍の悪性の有無やリンパ節転移がないか、また切除した際に腫瘍の取り残しがないかなどを手術中の短時間で診断する術中迅速病理診断を行い、手術方針の決定に役立てています。
分子標的薬治療の可否決定に必要なコンパニオン診断も実施しています。
5.体に優しくかつ高度な医療の提供
苦痛が少なく、身体的な負担も少ない低侵襲な鏡視下手術や高精度放射線治療装置(ノバリスTx)を用いた有害事象の少ない高精度な照射が可能です。
6.腫瘍内科医ががん患者さまの薬物療法・がんゲノム医療に関与
がん薬物療法
それぞれの患者さまの背景にあわせた適切な強度の化学療法を行うため、がん薬物療法のスペシャリストである腫瘍内科医が、がん専門薬剤師、がん化学療法看護認定看護師を含めた多職種チームで、当院で治療を受けるすべての患者さまに最適な治療を提供できるように取り組んでいます。
がんゲノム医療
「がん」の遺伝子を詳しく調べ、一人一人の遺伝子の変化に応じた治療などを行う医療です。
がんゲノム医療についてご相談があれば、腫瘍内科医師ががん遺伝子パネル検査について説明を行い、必要時はがんゲノム医療連携病院へ紹介をします。
7.がんに伴う身体や心などの様々なストレスに緩和ケア内科医が対応
主に緩和ケア病棟における苦痛緩和に徹した治療と終末期ケアを行います。また一般病棟に入院中の患者さまに対しても症状緩和治療の提言、助言を行います。
8.チーム医療を担う高い技術や知識を持つメディカルスタッフが多数在籍
がん関連の認定看護師、がん専門薬剤師、認定がん専門相談員、がん専門作業療法士など、さまざまな分野での「がんのスペシャリスト」が多数在籍しています。それぞれの資格者は専門的な研修やがん診療に関わる経験を積んでいます。そのスペシャリストが多職種によるチームでがん治療を支援します。
がんに関する資格保有者
がん看護専門看護師 | 1人 | がん薬物療法専門薬剤師 | 1人 |
---|---|---|---|
がん化学療法看護認定看護師 | 3人 | がん薬物療法認定薬剤師 | 1人 |
緩和ケア認定看護師 | 3人 | 外来がん治療認定薬剤師 | 2人 |
がん性疼痛看護認定看護師 | 1人 | 緩和薬物療法認定薬剤師 | 1人 |
乳がん看護認定看護師 | 1人 | がん病態栄養専門管理栄養士 | 1人 |
がん専門薬剤師 | 2人 | 乳がんヨガ指導者 | 2人 |
がん指導薬剤師 | 1人 | リンパ浮腫療法士 | 1人 |
2024年7月現在
9.多職種カンファレンスなど、強い連携力で切れ目のない医療・ケアの提供
診療科や部門の垣根を越えて、医師や看護師、薬剤師などのメディカルスタッフが強固に連携し、協力し合うことで「切れ目のない医療やケア」を提供します。また院内のみならず、地域一体となりがん患者さまを支えるためにも、地域医療機関、訪問看護ステーションなどとも強固な連携を図り、患者さまが望む場での治療継続が行えるよう取り組んでいます。
10.がん相談支援室(がん相談支援センター)で様々な相談に対応(生活・就労・金銭面など)
がん相談支援室では、がんに関する不安や疑問、悩みなど診断時から治療、療養生活全般にわたるさまざまな相談に対応しています。がんに関するあらゆる相談に対し、さまざまな職種とともに、患者さまやご家族の心配なことや不安が少しでも軽くなるように意向を確認しながら、患者さまがその人らしく生活できるようお手伝いさせていただきます。
また、がん相談支援室では認定がん専門相談員の医療ソーシャルワーカーとがん関連の認定看護師を常時配置し、医師、がん病態栄養専門管理栄養士、がん専門・がん指導薬剤師、がん専門作業療法士などのリハビリスタッフ、事務職などと連携しながら、患者さまを支えていけるように対応しています。
がん専門スタッフによるチーム医療体制の充実
がん診療センターの役割
区分 | 体制項目 | 内容 | 実施部署・チーム |
---|---|---|---|
健診や手術・局所療法、がん薬物療法、放射線治療、緩和ケアなどを活用し、「がんの予防から終末期まで」のトータルケアを実施 | がんドック健診 | 各種健康診断やがん検診などによる早期発見 | 予防医療センター |
手術・局所療法 | 外科的切除、内視鏡治療、血管内治療、焼灼療法などによる治療 | 各診療科 | |
がん薬物療法 | 外来化学療法室・各入院病棟での薬物療法による治療 | 外来化学療法室、各診療科 | |
放射線治療 | 高精度な放射線照射で身体に優しい治療 | 放射線科 | |
緩和ケア | 多職種による身体的、精神的苦痛の緩和 | 緩和ケア内科 | |
専門職種(メディカルスタッフ)を中心とした患者さまへの関わり | がん診療サポート | チーム医療等により、がん診療をサポート | 「がんを支えるチーム医療」
その他 |
がん相談 | 認定がん専門相談員による相談支援・情報提供 | がん相談支援室 | |
がん医療連携 | がん地域連携パスを活用した、かかりつけ医や地域の医療機関との連携 | 患者支援連携センター | |
事務職によるがん診療の補助・支援 | がん登録 | 院内がん登録の実施 | 診療情報管理室 |
がん関連対応 | 大阪府がん診療拠点病院の指定を受け、より有効的ながん診療を実施するための支援活動やがん診療の課題に対処していく活動など | 担当事務 |
センター長ごあいさつ
研究領域 | 下部消化管外科/内視鏡外科 |
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資格等 | 日本外科学会専門医・指導医/日本消化器外科学会専門医・指導医/日本消化器病学会専門医・指導医/日本大腸肛門病学会専門医・指導医/日本消化管学会胃腸科専門医・指導医/日本内視鏡外科学会技術認定医/日本ロボット外科学会Robo Doc国内B級/日本がん治療認定医機構がん治療認定医/日本消化器外科学会評議員/日本胃がん学会代議員/近畿外科学会評議員/日本内視鏡外科学会評議員/日本大腸肛門病学会評議員/日本臨床外科学会評議員 |
『キャンサーボード』にて治療方針を決定しています。
松下記念病院では毎週1回、医師(外科・消化器内科・放射線科・臨床検査科)、検査技師、看護師、MSWが一同に会し、がん患者さまの症状、状態及び治療方針などを意見交換・共有・検討などするためにキャンサーボードを開催いたしています。それぞれが専門的意見を出し合って治療法を集約していくため、患者さまそれぞれの症状・状態に応じた最適な治療法を決定できることが最大の特徴です。
私の治療はどうなるの?
「がんの治療」には、様々な選択肢がありますが、「部位」や「症状」「進行状態」「患者さまの希望」等によって、その治療内容は大きく変わってきます。まずは、自分のがんがどのようなものかをしっかりと把握した上で、治療を選択していくことが重要になってきます。それぞれのがんに関する基礎知識に関しては、「国立がん研究センターがん情報サービス」にわかりやすくまとめてありますので、こちらからご確認ください。
緩和ケア研修
当院では、「がん診療に携わる医師が緩和ケアの基本的な知識・技術・態度を習得する」ことを目指して、厚生労働省の標準プログラムに準拠した緩和ケア研修会の受講に努めております。