卵巣がん
疫学
卵巣(一部は卵管)から発生するがんです。
日本における罹患数・死亡数はともに増加傾向にあり、罹患率は10万人当たり20.2人。死亡率は10万人当たり8.3人と報告されています。発症年齢は50代後半にピークを迎え、40~50%の症例がIII・IV期です。
病因
発がん機構はいまだ十分に解明されていません。良性から徐々に悪性化し進行が比較的緩徐でI期で発見されることが多いタイプと、良性病変を経ずがん化し進行が早く診断時III期以上であることが多いタイプがあります。卵管に発生したがんが卵巣へ直接進展することがあるという新たな知見も周知されています。発がんのリスクを上昇させる因子としては、未産、肥満、ホルモン薬の使用などが報告されています。消化管のがんが転移している場合もあります。
症状
自覚症状に乏しく、早期発見が困難で、無症状のうちに進行していることが多い病気です。初発症状は、腹部腫瘤感、腹部膨満感、排便・排尿障害、腹痛、摂食困難などです。
診断
確立された検診法(スクリーニング検査)はありません。多くの場合、超音波で発見され、CTやMRIなどの画像検査で悪性所見や進行度を調べます。
治療
通常は手術により子宮や付属器(卵巣・卵管)や周囲のリンパ節や大網(胃の近くにある脂肪で形成される臓器)をとります。常に最大限病巣を取り切ることを目指します。手術後にがんが他の部位へ転移したり再発する危険性が高い場合や病変をとりきれなかった場合は、術後化学療法(抗がん剤の点滴)をします。可能であれば再度手術をして、初回の手術で取り切れなかった病巣を切除することもあります。
