産婦人科
メッセージ
産婦人科の特色・強み
当科は日本産科婦人科学会、ならびに母体保護法に基づく指定医の認定施設となっており、常勤医 4名、非常勤医 2名で診療にあたっています。産科および婦人科において安全で的確な診療に努めています。産科では、なるべく自然な分娩に努めるとともに、新生児の管理は小児科とともに行います。また当科は「日本赤十字社近畿さい帯血バンク」のさい帯血採取施設にも指定されており、多くの方の協力を得てさい帯血による移植医療にも積極的に貢献しています。
当科の治療方針
婦人科疾患
子宮腫瘍や卵巣腫瘍などでは、まず治療が必要かどうかについてMRIなども含めて十分に検討することとし、治療では手術を基本とし、可能な場合は腹腔鏡や腟式手術を実施しています。そのほか、性感染症の診断や治療を行っています。
子宮がん検診で異常があった方には生検などの精査をしています。疾患の進行度や合併症の点から当院での治療が困難な場合は高次施設へ紹介します。
婦人科で扱う女性特有のがんについて
子宮内膜症
子宮脱
子宮脱(子宮下垂とも言います)は、骨盤底筋肉や靭帯が伸びて弱まり、子宮の正常な支持が失われて膣へ下垂し、症状がひどくなると腟外へ脱出する疾患です。妊娠、出産により、一部の女性ではこれらの筋肉が弛緩します。また、腹圧をかけることが多い生活をすることも助長因子といわれています。子宮脱は、女性であれば誰しもがかかる可能性があり、1回以上の経腟分娩を経験した閉経後の女性はリスクが高くなります。子宮とともに膀胱が下垂する膀胱瘤や直腸が下垂する直腸瘤を併発することがあります。下記のような症状が出ることがあります。
- 腟にピンポン玉のようなものが触れる
- 椅子に座るとボールの上に座っている感じがする
- トイレが近い
- 尿が出しづらい
- 排尿してもすっきりしない
治療法は手術やペッサリーを腟内に留置する保存的治療です。
異所性妊娠
性器クラミジア感染症
性器クラミジアの主な症状では下記が考えられます。
- 性器に軽いかゆみがある
- おりものの増加
- 排尿時に軽い痛みが出ることがある
- 陰部の不快感
感染してから症状が出るまでの期間は、1〜4週間程度で、放置すると症状が悪化し、男性では精巣上体炎や男性不妊症、女性では、卵管炎・腹膜炎・子宮外妊娠・不妊症の原因になることもあります。
更年期障害
閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といい、症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。更年期障害の主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことで、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。主な症状は、顔のほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗です。
チーム医療(産婦人科)
当院で出生した新生児は、産婦人科と小児科で連携して管理します。呼吸状態が安定するのに時間がかかる場合は、保育器に入れたり酸素を投与するなどの措置をとります。血糖値が低い場合はブドウ糖の点滴をします。黄疸(皮膚が黄色くなること)が強い場合は光線療法をします。
分娩を安全に取り扱えるように、産婦人科医師、小児科医師、助産師で週1回カンファレンスを開き、当院で分娩される予定の方についての情報を共有しています。産後にご家族など周囲のサポートがうすい方は産後ケア入院をしていますが、退院後は必要に応じて地域の保健師にも支援してもらえるよう連携しています。
また、手術を安全に行えるように、産婦人科医師と手術室の看護師とで週1回カンファレンスを開き、当院産婦人科で手術を受けられる予定の方についての情報を共有しています。全身麻酔や脊髄くも膜下麻酔で手術をするときは麻酔科の管理のもとで施行します。手術時に他科の支援が必要なときは、外科や泌尿器科と共同で手術をします。
婦人科がんの方に抗がん剤の投与(化学療法)をするときは、薬剤師および腫瘍内科と連携し、文献的な証拠に基づいて、薬の種類や投与量を決め、副作用対策にも努め、薬剤師による指導も行います。
医師一覧
部長小柴 寿人(こしば ひさと)
資格 |
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専門領域 |
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非常勤本山 敏彦(もとやま としひこ)
資格 |
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専門領域 |
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診療実績
2022年度
- 外来患者数
- 39.4人/日
- 外来紹介件数
- 56.0件/月
- 入院患者数
- 10.6人/日
- 平均在院日数
- 5.8日
- 分娩件数
- 207件/年
手術実績
- 開腹手術
- 80件
- 子宮脱手術
- 16件
- 子宮頸部円錐切除術
- 31件
- 腹腔鏡下卵巣腫瘍手術
- 55件
- 腹腔鏡下膣式子宮全摘術
- 37件