骨粗鬆症リエゾン外来

目的

既に骨折している方には次の骨折を予防するために、転倒による骨折を経験していない方には初回の骨折を予防することを目的とします。運動療法を継続するとともに、薬物療法や食事療法の継続を促し骨粗鬆症治療の継続率の向上を図ります。

医師の診察後に、骨粗鬆症マネージャーが中心となって服薬・栄養・運動の重要性を説明します。

対象
  • 骨粗鬆症
  • 骨折の可能性が高い方
内容
  • 現在の活動量の確認(歩行、運動、日常生活動作の確認など)
  • バランス機能評価、筋力評価を実施(デジタルミラーを使用)
  • 検査結果より自宅での運動指導を実施(必要時に定期的な姿勢調整や疼痛緩和のための運動療法実施)
  • 骨粗鬆症リエゾン外来に合わせて継続評価実施し運動内容の変更を行う

    転倒予防

    転倒予防には筋力が大事であると想像がつくと思います。確かに、力は強い方が踏ん張ることができますし、危険を避けることができます。ただ、力だけでは不十分で一般的にいうバランス能力が重要になります。

    バランス能力とは・・というと説明が長くなるのでここでは全て言えませんが、例えばこけそうになった時に咄嗟に足が踏み出せることや、方向転換がスムーズにできることや、片脚立ちが長くできることがあげられます。このように、力とバランス能力を向上できるようにリハビリテーションでは運動指導を行っています。

    お薬を継続すること、定期的にフォローすることにおいては、一病院で完結することはできず、地域の医療機関との連携が大切です。通常かかりつけの先生からお薬の治療をしてもらい、当院で採血や骨塩定量検査(骨密度測定:DXA法)を定期的に(通常1年に1回)行うようにしていきます。かかりつけの先生や、薬局の薬剤師さんと情報を共有するために、骨折連鎖予防手帳を使用して、服薬内容や検査情報を記載します。外来受診の際には毎回持参していただき、内容を更新していきます。

場所 整形外科外来
担当・日時 整形外科:村田 博昭 / 初診:第2・4木曜日 13:00~15:00

骨粗鬆症について

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して骨折しやすくなった状態で、女性に多いのが特徴です。その原因は、加齢・生活習慣(運動不足や食生活など)・喫煙・閉経後のホルモンバランスの変化・ステロイド薬の使用・糖尿病・腎臓病などがあります。

日本の骨粗鬆症患者さまは推計1300万人といわれていますが、治療を受けている患者さまは約20%程度です。また、治療継続率は5年以内に半数以上が脱落しているという報告があります。骨折を防ぐためには、治療率と治療継続率の向上が重要です。当院では以下に述べます「骨粗鬆症リエゾン外来」を通して通常の検査・薬物療法以外に「服薬・栄養・運動指導」も行っています。

骨粗鬆症リエゾンサービスとは

リエゾンという言葉は聞きなれないと思いますが、その語源はフランス語で「連絡」「連携」と訳されます。地域、病院、診療所が連携して治療にあたり、治療率と治療継続率を向上させるネットワークです。骨粗鬆症の知識や治療の知識を特に有した「骨粗鬆症マネージャー」が中心となり、骨粗鬆症の啓発と治療継続を行い、骨粗鬆症による骨折の減少、円滑な治療を行うためのサポートを目的としています。

当院では2019年11月より骨粗鬆症リエゾンサービスチームを発足しました。メンバーは、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師の10名で構成しています。現在の活動内容は、月1回のミーティングと、月1回の骨粗鬆症リエゾン外来の実施です。

骨粗鬆症マネージャーとは

骨粗鬆症マネージャーは日本骨粗鬆症学会が認定した、骨粗鬆症診療支援サービスの役割を担う骨粗鬆症に関する知識を持っているメディカルスタッフです。看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士などメディカルスタッフが取得できる資格となっています。当院には骨粗鬆症マネージャー:4名(看護師3名、理学療法士1名)が在籍しており、骨粗鬆症リエゾン外来を担当しています。

骨粗鬆症外来での指導や検査

服薬指導

医師から処方されたお薬について、骨粗鬆症マネージャーの資格をもつ看護師から服薬の重要性や副作用などの説明を実施します。使用する薬剤によっては、薬剤師から詳細な説明も実施しています。

栄養指導

医希望された方には、管理栄養士が食事の内容を確認し、骨の形成に必要な栄養分の説明や食事内容のご提案をします。約30分の個人指導を実施します。

運動指導

骨粗鬆症患者さまは転倒・骨折を予防しなければいけません。希望された方には、理学療法士や作業療法士が転倒予防についての評価と運動指導を実施します。評価はデジタルミラーという装置を使用して、筋力テスト・バランス機能テストを実施し、その結果から個人に合わせた自宅での運動プログラムをご提案します。また、必要に応じて運動療法や姿勢調整など個別での治療も実施します。約40分の評価と指導を行います。

骨塩定量検査(骨密度測定:DXA法)

  • 骨塩定量検査は骨粗鬆症の診断や治療効果経過観察をするための検査です
  • 測定は推奨されているDXA法で腰の骨(腰椎)と足の付け根(大腿骨頸部)で行います
  • X線を使用した検査ですが、極めて低い被ばく線量で検査ができます
  • 検査時間は、5~10分程度です

骨粗鬆症リエゾン外来紹介動画

骨粗鬆症の詳細はコチラ

受診予約について

受診方法・相談窓口

専門クリニックは予約制です。
受診をご希望の際はかかりつけ医にご相談ください。
ご不明な点がございましたら、受診相談(06-6992-1231:代表)へご連絡ください。

医療機関向けの相談窓口