C型肝炎
概要
C型肝炎ウイルス(HCV)は主に血液を介して感染します。以前は輸血や医療行為での感染が多かったのですが、現在では新規の感染は針刺しなどの医療事故や覚醒剤、刺青などの非合法的な血液感染が多く、一部でピアッサーの使いまわしなどでも感染することがあります。成人感染でも約70%は慢性化するといわれており、慢性化した場合は自然に治癒することはほとんどなく、ゆっくり進行し20~30年の経過で肝硬変に至り、肝硬変になると年率7%程度の確率で肝がんを発症します。
診断はHCV抗体を測定し、HCV-RNA(遺伝子)が陽性であれば確定します。C型慢性肝炎や肝硬変は肝障害が目立たなくてもほぼ全例で治療適応になります。以前はインターフェロンを使用した治療で副作用が強く、治療効果はあまり高くなかったのですが、現在の直接的抗ウイルス薬(DAAs)は8~12週間の内服で、副作用は少なく、95%以上の症例で治癒します。一方、治療後の発がんも報告されており、引き続き経過観察が必要です。また黄疸や腹水がある非代償性肝硬変でも24週間の投与で治療できる症例もあり肝機能の改善や発がん率の低下がみられます。
当院では250例のDAAs投与例があり、すべて外来診療で行い、98%以上の治癒率を得ています。副作用中止はほとんど見られません。
受診されるすべてのC型肝炎の患者さまのウイルスを消すことを目標にしています。
C型肝炎の経過
DAAs治療の経過