子宮頸がん
疫学
子宮頸部(子宮の入口の部分)の上皮から発生するがんです。
死亡率は10万人当たり4.4人です。罹患率は10万人当たり16.4人で罹患率、死亡率とも30歳代前半から上昇し40代前半がピークになります。
病因
性感染症の一種であるパピローマウイルスの作用で発症します。性交渉を開始する前の女子中学生にパピローマウイルスのワクチンを接種することによって発症が大幅に抑制されます。同時に子宮頸がん検診も定期的に受けることが推奨されています。
症状
早期の場合、症状は現れません。進行すると不正性器出血や下腹痛が起こることがります。
診断
子宮がん検診とは通常、子宮頸がん検診を意味します。市民健診や人間ドックや産婦人科開業医などで子宮頸部の細胞をこすって採取し顕微鏡で見て異常な細胞がないかどうか調べます(子宮頸部細胞診)。細胞診で異常があるときは通常、病院へ紹介されますが、子宮頸部に悪性の病変があるかどうか調べるために細胞の塊(組織)をとって検査します(生検)。
治療
IA1期は単純子宮全摘術(子宮のみとる)か子宮頸部円錐切除術(子宮全体をとるのではなく頸部の病巣がある部分のみ切りとる)をします。
IA2期からIB2期は広汎子宮全摘術(子宮とともに周囲の靭帯やリンパ節も広くとる)をします。手術後にがんが他の部位へ転移したり再発する危険性が高い場合は、術後化学療法(抗がん剤の点滴)をすることがあります。
II期は従来から広汎子宮全摘術の適応とされてきましたが、放射線治療(子宮を中心に放射線をあてる)を中心とした治療をする方が広汎子宮全摘術をするより副作用が少なく、広汎子宮全摘術をした場合と手術はせず放射線治療を中心に治療した場合とで予後は同等であることが分かってきているため、最近は手術より放射線を主治療にすることが多くなってきています。
III期とIVA期は手術は不能で、放射線を主治療とし、必要に応じて化学療法も併用します。
放射線を主治療にする場合、体の外からあてる外照射と、腟から放射線源を入れて子宮頸部に強力にあてる腔内照射があり、両者を併用することによって治療効果が高まり進行がんでも完治することがあります。

