乳腺外科

メッセージ

山口 正秀部長 山口 正秀(やまぐち まさひで)

日本では、乳がんの罹患数が増えているだけでなく、外国と異なり、50歳前後にも罹患率が高い傾向があります。また、その年齢の方は家庭や社会でも重要な役割をされることが多いと思われます。そのために、乳がんの診断、治療をストレスなく継続するには、患者さま個人の問題だけでなく、家庭や社会の問題をできるだけサポートするため、多くの職種が協力することが大変重要です。

当院では、患者さまと一緒に、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、社会福祉士、医療事務、患者会や院外の方々も含めた多くの人たちと連携し、チーム医療により安心して満足できる乳がん診療をめざしています。さらに、個々の職種で乳がんやがん治療の専門家も多く、患者さまに最適な治療方針の提案が可能です。

どのようなことでも乳房に関して気になることがありましたら気兼ねなくご相談ください。

乳腺外科の特色・強み

外科といえば手術だけを想像するかもしれませんが、乳腺(乳房)の病気全般の診断治療をします。実際は悪性疾患の乳がんが多く、手術に加えて抗がん剤治療もします。また、がん以外の乳腺炎や乳腺症などの良性の病気も診療し、多職種で協力して患者さまに満足していただける治療を目指しています。

その診療や仕事内容は、病気の診断、術後リハビリテーション、抗がん薬治療、放射線治療、乳がんの再発に対する緩和医療、治療に伴う合併症や副作用に対するサポート(脱毛ケア、妊孕性温存)そして診療継続や介護のための公的制度利用の申請などです。

乳がんは罹患率が上昇し、有名人が乳がんとなり注目されることも多い疾患です。日本では、女性は生涯で9人に1人が乳がんになるとされています。乳房のしこり、異常な乳汁分泌、皮膚の変形などが気にられたら早めに受診することをおすすめします。

乳腺外科の治療方針

当院では、乳がん診療専門の医師、看護師、薬剤師、技師、理学療法士がチームで医療を行っています。また、乳房再建術も行っており、がん根治手術と同時に行う一時再建だけでなく、時間が経過してから行う二次再建にも対応しています。

乳房再建外来へ

もし、がんの進行や再発で通院困難となった場合は、当院緩和ケア病棟への入院、他施設への入所や在宅診療のための往診医の手配も可能です。

乳がんの治療

乳がんの治療は「手術」「薬物療法」「放射線療法」が3 つの柱です。最近遺伝性乳がんのリスクが高い患者さまに対しては、それに関係しているとされているBRCA1/2 などの「遺伝子検査」が行われるようになり、治療方針の決定に重要となってきています。検査は一部保険適応であり当院でも可能です。検査で遺伝子に異常がありとされた際には認定遺伝子カウンセラーの受診が必要でありご紹介しています。また、がん免疫に関係する抗がん剤である免疫チェックポイント阻害剤の使用に対しては全身的な副作用に対する備えが重要ですが当院では全科のサポートにより対応しています。

乳がんの詳細について

認定施設

  • 日本乳がん学会認定医・専門医制度認定施設
  • マンモグラフィ検診精度管理中央委員会マンモグラフィ検診認定施設
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会エキスパンダー実施施設(一次一期再建、一次二期再建)
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会インプラント実施施設(一次再建、二次再建)

医師一覧

部長山口 正秀(やまぐち まさひで)

資格
  • 日本外科学会認定外科専門医・指導医
  • 日本乳がん学会乳腺専門医・評議員
  • 日本乳がん検診精度管理中央機構認定検診マンモグラフィ読影医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 近畿外科学会評議員
専門領域
  • 乳腺外科

医長吉岡 綾奈(よしおか あやな)

資格
  • 日本外科学会認定外科専門医
  • 日本乳がん学会乳腺専門医
  • 日本乳がん検診精度管理中央機構認定マンモグラフィ認定読影医
専門領域
  • 乳腺外科

医長松井 智也(まつい ともや)

資格
  • 日本外科学会外科専門医
  • 日本乳がん学会乳腺専門医
  • 日本乳がん検診精度管理中央機構認定マンモグラフィ認定読影医
専門領域
  • 乳腺外科

診療実績

2023年度

外来患者数
35人/日
外来紹介件数
26件/月
入院患者数
4.0人/日
平均在院日数
7.7日

手術実績

乳がん
77件
 乳房温存術
33件
 乳房切除術
44件
再建術
6件

研究

学会(2023年)