放射線科

特色

日本医学放射線学会専門医修練機関、日本核医学会専門医教育病院、日本IVR学会専門医修練施設です。放射線診断として、CT検査、MR検査、血管造影検査(循環器科施行分を除く)、核医学検査(心臓を除く)、消化管造影検査、胸部・腹部X線診断、マンモグラフィ診断など、ほぼすべての画像診断に関与しています。また、血管造影検査技術を利用した治療、CT装置を利用した組織生検・治療などに積極的に取り組んでいます。放射線治療は、がんの集約的治療として関連科と協調しながら行っています。高精度放射線治療装置による身体への負担軽減を目指した治療に取り組んでいます。甲状腺や骨転移に対するアイソトープ治療にも取り組んでいます。

当科の治療方法

画像診断

病気の治療方針には、低侵襲の検査で素早く的確に診断を行うことが不可欠です。各診療科と連携しながら治療に役立つ質の高い診断を提供できるように努めています。

インターベンションナルラジオロジー(IVR)

医用画像診断装置・技術を利用した治療・組織生検は近年著しく進歩し、患者さまへの侵襲が少なく良好な結果が確立されてきています。将来この分野の重要性がさらに高まるものと思います。ご期待に沿えるよう日々研鑚を続けています。

放射線治療

放射線治療は、コンピュータ技術の進歩の恩恵を受けている医療のひとつで「切らずにがんを治す」方法として注目されています。正常組織への影響を抑えるために治療期間が数週間におよぶ場合もありますので、十分な説明の上で、ひとりひとりの患者さまの病状に合わせた最良の治療を行うよう努めています。

腫瘍の根絶だけでなく、がん性疼痛のコントロールなどの緩和医療としても役立っています。骨転移による疼痛の緩和や甲状腺機能亢進症、悪性リンパ腫に対するアイソトープを使用した治療も行っています。

地域連携

地域の画像診断センターとしての役割を担えるよう、検査の質の向上に努めていきます。地域の先生方がご利用していただきやすいように体制を整えています。どのようなことでも地域医療連携室にお尋ねしていただければ幸いです。

各検査の最近の変遷

放射線診断では新機種への更新により、画像情報のデジタル化とともに情報量が飛躍的に増加しています。当院では2003年2月からDICOM画像ファイリングシステムを採用し、すべての医用画像のデジタル保管し、モニター診断を行っています。

2009年からは完全フィルムレス化を実現しています。院内画像配信や医学教育用ティーチングファイルシステムの実現、地域医療機関とのネットワーク構築と遠隔画像診断機能による病診・病病連携、大学病院等の高度医療機関との連携の実現にむけても着々とシステムの構築を進めています。

CT検査は、マルチスライスCTの出現により1~2回の短時間の呼吸停止で胸部や腹部の詳細な横断像を得ることが可能になりました。また、薄く撮影された横断像から3次元画像を作成して立体的に多方向から観察することも可能です。

64列マルチスライスCT装置が導入され、冠動脈疾患などでも詳細な画像を短時間で撮像することができるようになり、血管病変の診断能向上に役立てています。

MR検査は、頭部や脊椎疾患のみならず乳がんや前立腺がん、婦人科疾患の診断に大いに役立っています。1.5TのMRI装置を使用することにより、短時間で高画質な画像や新たなコントラストの画像が撮像可能です。肝臓に対する新しい造影剤の登場により、肝疾患の診断にも有効で適応範囲が拡大しています。

核医学検査は、放射性同位元素を利用して体内の代謝や機能を画像化する検査で腫瘍・炎症の診断や各種臓器の循環動態の診断、代謝内分泌疾患の診断などに利用されています。2019年4月にPET/CT装置を更新し、FDGによるがんの診断、アミロイドPETを開始し、認知症の診断にさらに威力を発揮しています。PET撮像施設認証を取得し、質の高いPET検査を提供します。
アイソトープを使用した疼痛緩和治療や悪性リンパ腫に対する治療も行っています。

乳がんの総合画像診断の一環として、マンモグラフィ読影も外科と協力して積極的に取り組んでいます。マンモトーム生検も行えるように更新しました。

IVRの領域では、肝がんのTAE(経皮的動脈塞栓療法)や膀胱がん・子宮がんの動注化学療法をはじめとする悪性腫瘍の動注化学療法・塞栓療法、出血疾患の緊急TAEなどを、CT装置を利用した検査・治療として、病理診断のための病変部の採取(生検)や膿瘍の排液、などを行っています。

放射線治療では、高精度放射線治療装置であるNovalis Txを2009年に導入し、実績を積み上げてきました。脳腫瘍や肺腫瘍に対し、正常組織への影響をより低減できる定位放射線治療を行っています。複雑な形状をした病変に対しても周囲組織への影響を抑えて照射が可能なIMRT(強度変調放射線治療)法も前立腺がんや頭頸部がんを主体に用いています。手術に匹敵する根治的治療から緩和医療まで幅広く、がん治療に取り組んでいます。

また、骨髄移植のための全身照射は、関連診療科と連携しながら多くの実績を積んできています。

認定情報

  • 日本医学放射線学会放射線科専門医修練機関
  • 日本核医学会専門医教育病院
  • 日本IVR学会専門医修練施設

医師一覧

部長牛嶋 陽(うしじま よう)

資格
  • 日本医学放射線学会認定放射線治療専門医
  • 日本医学放射線学会認定研修指導者
  • 日本核医学会認定核医学専門医
  • 日本核医学会認定PET核医学認定医
専門領域
  • 核医学
  • 放射線治療

副部長伊藤 哲哉(いとう てつや)

資格
  • 日本医学放射線学会放射線科専門医
  • 日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
  • 日本医学放射線学会認定研修指導医
  • 日本核医学会認定PET核医学認定医
  • 日本インターベンショナルラジオロジー学会認定IVR専門医
専門領域
  • 画像診断
  • IVR

医長野口 直希(のぐち なおき)

資格
  • 日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
専門領域
  • 放射線画像診断
  • IVR

医員窪田 博亮(くぼた ひろあき)

資格
  • 日本専門医機構認定放射線科専門医
専門領域
  • 放射線科

嘱託中野 泰彦(なかの やすひこ)

資格
  • 日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
専門領域
  • 画像診断
  • 放射線治療

診療実績

2023年度

放射線治療

定位放射線治療
34件(肺がん24件、脳転移8件、前立腺2件)
IMRT
33件(前立腺31件、肺1件、食道1件)

検査実績

単純X線撮影
33,761件
造影検査
4,347件
血管造影検査
316件
CT検査
15,294件
MRI検査
4,284件
RI検査
1,578件

研究

学会(2023年)