尿路感染

泌尿器科のページはこちら

総合診療科のページはこちら

尿路感染症とは

尿に細菌が住み着き、感染を起こした状態です。単純性尿路感染症と複雑性尿路感染症に大別されます。複雑性尿路感染症とは主に尿路の異物(尿道カテーテル)や閉塞(尿路結石、前立腺肥大など)、解剖学的な異常(膀胱尿管逆流、重複腎盂尿管など)によって引き起こされた尿路感染症です。単純性尿路感染症は複雑性尿路感染症のような背景をもたない尿路感染症です。

また、感染を起こす場所によって膀胱炎や腎盂腎炎(腎臓で感染を起こす)にわけられます。単純性膀胱炎、単純性腎盂腎炎、複雑性膀胱炎、複雑性腎盂腎炎などに分類されます。尿路感染症のうち、特に腎盂腎炎は放置することによって敗血症性ショック(血圧が低下したり意識が悪くなるなど)などの非常に重篤な病態へ進行することがあり注意が必要です。

原因

単純性尿路感染症の主な原因は大腸菌です。複雑性尿路感染症の原因となる細菌は様々です(大腸菌、ブドウ球菌、クレブシエラ、カンジダ、緑膿菌など)。

症状

膀胱炎は排尿時痛や尿混濁、残尿感などです。腎盂腎炎の主な症状は発熱ですが時には腰痛を伴い、敗血症性ショックのような重篤な病態に陥ることがあります。

検査

血液検査では白血球やCRPといった炎症反応の上昇がみられます。尿検査では尿中に白血球がいるかどうか、またどのような細菌がいるかを検査します。病状によっては画像検査を行い、腎臓、尿管、膀胱に異常がないかどうかなど検査します。

治療

抗生剤治療を行います。膀胱炎の治療期間は3日程度ですが、腎盂腎炎であれば病状によっては入院が必要となり、治療期間も1-2週間と長くなります。また、複雑性尿路感染症の場合はその原因(腎臓、尿管、膀胱に異常がないかどうか)の検査、治療も検討します。